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2018.04.06更新

 ビジネスでは「管理」という言葉が良く使われます。どの会社にも管理職がいますし、仕事の管理が大切なことは誰もがわかっています。ところで「管理」とはどのような意味の言葉でしょうか。管理職研修などで質問してみると皆さん困ったような顔をされます。改めて尋ねられるとなかなか答えを思いつかないでしょう。

 しかし、仕事で「管理」という言葉を使う場合には正しい意味があります。それは「逸脱・例外を見つけて正しくする」という意味です。具体的に言うと、決まった手順や上司からの指示を守らない、設計図通りに作らない、こうした状況(逸脱・例外)を見つけて正しくすることが管理の正しい意味です。

 すると「管理」するためには一つの条件が必要になります。それは仕事が明確でなければならないということです。仕事が明確であるということは仕事の目的(ゴール・成果)とそこに至るプロセス(手順・設計図・計画など)が明確であるということです。目的とプロセスが不明確な仕事は適切に管理することはできないのです。仕事を明確に定義することが管理の前提条件です。

 たとえば車に装備されているカーナビがやっていることは管理の良い例です。カーナビを使う場合、まず目的地を入力します。そしていくつかの候補から目的地に至るルートを一つ選びます。実際に走り出すとカーナビは適切な道を指示してくれます。道を間違えるとカーナビがすかさず指摘してくれます。そして指示通りに走れば正しいルートに復帰することができるのです。つまりカーナビが行っていることは車が目的地に正しく到着するための「管理」なのです。

 実際の仕事では管理はもっと複雑になります。カーナビの目的地は地図上で指差せるぐらい明確ですが、仕事の目的ははっきりしない場合が多いからです。例えばお客様のところに営業訪問する時の目的はなんでしょうか。お客様との関係を改善することでしょうか。そうであればどうすれば目的が達成されたといえるのでしょうか。このように目的が曖昧なままに行われている仕事はとても多いのです。 

 仕事を適切に管理するには仕事の適切な定義が必要です。特に仕事の目的を明確にすることが大切なのです。営業訪問の例で言えば、「①前回の訪問で出された宿題の答えを持っていく、②最新商品のパンフレットをお渡しする ③最近の困っていることを聞き出す」といったように具体的な行動の基準をいくつか書き出すようにすれば仕事の曖昧さが少なくなります。ぜんぶクリアしたのに結果が良くなければ目的の設定が間違っていたこともわかります。こうした管理を繰り返していけば少しずつ成果があがるようになるわけです。

浅沼 宏和

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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