浅沼宏和ブログ

2020.12.16更新

ドラッカーのマネジメント論の中心は「成果」です。成果をあげることで社会は発展し、個人は幸せになれるのです。

成果とは社会(組織、だれか)にとって価値あること、意味のあることです。成果を大きくするとは、より多くの人にとって価値あること、意味のあることを成し遂げることです。

ドラッカーだけではなく、著名な心理学者のアドラーも人は周囲貢献することで社会における自分の居場所を持つことができると言っています。「貢献する」と「成果をあげる」は同じことを別の角度から述べているだけです。一枚のコインの裏表の関係なのです。人が本当の意味で幸せになるには、より大きな成果をあげることが必要なのです。

成果をあげるには主体的な行動が必要です。「主体的」とは自分で目的を決め、積極的に行動することです。そして、この自ら決めるという部分が「自由」という言葉の意味になります。そこには当然、「責任」の問題が生じてくるのです。

ハイブリッドワークライフで実現しようとする仕事とプライベートの一体化とは、より「自由」な生き方です。それは自ら選んだ目的で社会に貢献していこうとするものです。組織に属したり、個人で事業を起こしたりするのは手段の違いに過ぎないのです。

例えば、個人事業主の「自由」とは何でしょうか。誰からも命令されるわけではないので、朝から晩までブラブラしていても良いわけです。しかし、そうした人はあまりいません。成果をあげている個人事業主は自ら目的を決めて全力で働いているはずです。なぜなら、成果をあげることと全力で働くことがセットであることが一目瞭然だからです。

ブラブラしながら成果をあげている個人事業主はほとんどいないでしょう。彼らにとって「自由」とは主体的行動の自由であり、その自由の大きさは背負った責任の大きさと同じなのです。

では、組織に属している人の場合はどうでしょうか。「自由」と「責任」は必ずしも一致していません。メディアでは「働かないおじさん」「チャレンジしない若者」といったトピックが扱われることがあります。こうした話は、「自由」と「責任」が一致していない場合に起きがちなのです。

ですから、ハイブリッドワークが実現しようとする働き方とは、「自由」と「責任」が一致するような働き方を支援するということです。より大きな成果をあげようとする者はより大きな責任を負うこと、その結果、あげた成果に組織は報いること。個人の主体性を最大限に発揮させるような環境整備を行うこと、を目指すということになります。

 

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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