テレワーク時代の最大の問題点は仕事の自己管理です。テレワークによって生産性が低下したという報告はその難しさを示しています。
テレワークではチームのメンバーが同じ場所にいないことで、空気感が伝わらないことが大きな問題になります。日本の会社では仕事の目的や役割分担が明確でないことが多く、そうしたものが「場」を共有することで暗黙のうちに決まっていく特徴があるからです。
仕事についての明確な指示があるように見える場合でも、具体的な方法や指示の行間のようなものがあいまいだったりするのです。テレワークでは仕事の目的、満たすべき条件、手順などを詳細にすることがより重要になります。考え方としてはプロジェクトマネジメントと同じですね。
しかし、最初から上司、部下、同僚との間で物の見方がそろうことはあまりありません。物の見方のズレは逐次調整していかなければなりません。その際に重要なのはフィードバックです。自分の仕事の適切性はフィードバックされた情報と比較することで明らかになります。目的、成果に関するフィードバック情報を適切に本人に伝達されるような仕組みが必要になります。
目的は何か、何が適切なフィードバック情報なのか、そして実際にどんなフィードバックを行ったか、こうした問いに対する話し合いがコミュニケーションにおける中心的なテーマになっていくのです。