浅沼宏和ブログ

2021.03.11更新

ハイブリッドワークライフでは主体的な行動が重要になります。主体的とは目的を自分自身で決めることです。自分で決めた目標こそが内発的動機づけにつながるのです。

そして、主体的行動の基礎となるのが日常的なこと、身の回りのことをキチンとすることです。それを規律と言います。規律正しさが基礎となり、その上に主体的行動があるのです。

例えば、トヨタ自動車に代表される製造業の世界では5Sという取り組みがあります。「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つの行動の頭文字をとって5Sと呼ぶのです。5Sの取り組みは仕事の環境整備のために行われるのです。

トヨタでは工場の乱れている場所、汚れている場所に問題が潜んでいるとされています。つまり、乱れや汚れは問題のシグナルなのです。5S活動によって工場環境を徹底的に整えることで、あらゆる問題の芽を摘んでしまおうというわけです。

また、軍隊の士官学校などでも最初は徹底的に規律を身につけさせます。身なりやベッドメイキング、私物の置き方などすべてが決められています。歩き方、立ち方、敬礼の仕方などの基本動作もすべて決められています。そこからわずかにでもズレていれば厳しく指導を受けるのです。そこには個人的判断の入る余地はありません。すべて事前に決められており、それを徹底的に守ることで規律を身につけるのです。

しかし、上級生になるにしたがって自ら考えることが要求されます。言われたことをきちんとこなすだけでは士官としての職務が遂行できないからです。戦場では状況は常に流動的です。指示を受けていない事態にも対処しなければなりません。そこで求められるのは高度な主体性なのです。

このように人は規律を身につけることを成長の基礎とします。その上で、自ら考えて行動する主体性を発揮しなければなりません。これが「自立」です。

近年、大学スポーツなどで指導者の不祥事がありました。その学校では指導者の言うことは絶対であり、それに逆らうことは許されなかったと言います。そうした環境では主体性を身につけることはできません。

高度経済成長期には、指導者に逆らわず、言われるがままに全力で行動する人が好ましいとされていました。そうした行動を「自発的」といいます。積極的行動には違いありませんが、その行動の目的を自分で決めるのではないという点で主体的行動とは大きく違う者なのです。

現代では、あらゆる領域で主体性を発揮することが求められているのです。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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