従来型の企業の代表格ともいえる業種の一つが損害保険会社です。しかし、SOMPOホールディングスでは新規事業にフリーランスの力を借りる取り組みを始めています。
同社はスマートフォンを使ったデジタル申請を行う事業のために、数多くのフリーランスを集めました。38人のプロジェクトチームの内、21人がフリーランスなのだそうです。その狙いはスピードにあります。DX時代に対応した高度人材を育成する余裕はなく、直近のプロジェクトを成功させる必要があるからです。
フリーランスを使う理由はもう一つあります。それは従来の業界の常識にとらわれない柔軟な発想を求めたからです。チームの正社員は事業の課題をまとめ、解決の方向性を決めていきます。それに基づいて具体的な手法や製品を作り出すのがフリーランスなのです。
SOMPOホールディングスの新規事業チームでは正社員とフリーランスの間の垣根をなくし、互いの役割を尊重し合う雰囲気づくりを重視しているそうです。
今後はこうした働き方をする人は増えていくでしょう。
ドラッカーは、知識労働者は価値を創造する能力を持つ人であり、それは企業から見ると資産として捉えることができると述べています。
工場労働の時代では資産家とは資金や物的設備を所有する人のことでした。つまり、現代の知識労働者は新しい価値を生み出す能力を持つ資産家なのです。高度な能力を持つフリーランスはドラッカーが予見したように、自分の好きなワークライフスタイルを選ぶことができます。つまり、企業に対して交渉力を持つことができるのです。
ハイブリッドワークライフのコンセプトの大きなモチーフとなったのが、こうした自身の能力に基づいて自由度の高い働き方をするフリーランスです。今後、こうしたタイプのフリーランスが増えていくでしょう。
すると、ハイブリッドワークライフのコンセプトには将来、このようなフリーランスとして働ける能力を身につけるワークライフを送ることも含まれてくるのです。