米国の諜報機関 CIA の前身組織(OSS)が第二次世界大戦中に敵国の組織を内部から機能不全に陥らせる方法をマニュアル化していました。現在、そのマニュアルは CIA の HPで全文が公開されています。この通りにすれば組織が機能不全に陥るのであれば、その逆を行えば組織の成果が大きくなるわけです。
・常に文書による指示を要求せよ。
・誤解を招きやすい指示を出せ。
・長時間議論せよ。
・出来る限り不備を指摘せよ。
・完全に準備ができるまで実行に移すな。
・高性能の道具を要求せよ。道具が悪ければ良い結果が得られないと警告せよ。
・常に些細な仕事からとりかかれ。重要な仕事は後回しにせよ。
・些細なことにも高い完成度を要求せよ。わずかな間違いも繰り返し修正させよ。
・重要な決定を行う際には会議を開け。
・あらゆる物事を委員会で討議せよ。委員会のメンバーはできる限り大人数にせよ。
・書類を増やせ。
・決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな。
・すべての規則を隅々まで厳格に適用せよ。柔軟な対応を認めるな。
・議事録や連絡用文書、決議書などにおいて細かい言葉遣いにこだわれ
・以前の会議で決まったことを再び持ち出し、改めて問い直せ。
・「警告」し、他の人々に「理性的」になることを求め、早急な決断を避けるよう主張せよ。
・あらゆる決断の妥当性を何度も問え。権限や組織のポリシーとの相反を問題にせよ。
このマニュアルが示しているのは、目的ではなく手段を、全体ではなく細部を、内容ではなく形式を重視することで組織は機能不全に陥るということです。逆に言えば、成果の上がる組織は書類や会議が少なく、実行の着手が早く、些細な間違いを気にせず真の目的に集中しているということになります。