浅沼宏和ブログ

2021.07.11更新

ワークライフインテグレーションは、2008年の経済同友会のレポートで提起されたコンセプトです。ワークライフバランスのようにオンとオフを分ける考え方はもう古いという発想が原点です。

ワークライフバランスは工場労働のように、みんなが集まり、量で測定できる仕事に向きます。タイムカードで打刻する理由は2倍働けば、2倍価値のある結果が出るはずだからです。

しかし、知識労働はそうはいきません。良いアイディアは、その人がそれまで培ってきたスキル・経験などの総合力で生まれます。10分でまとめたアイディアが世界を変えることもあるのです。こうした労働は、投入した時間ではなく「成果」で判断されます。

成果で測定すればよいということは、タイムカードで管理する必要はないということです。現在、「ジョブ型」といわれる労働形態に注目が集まっていますが、似たような論理が背景にあります。

リモートワーク、ワーケーションのような働き方は知識労働に向いています。時間管理ではなく、成果管理であれば、オンライン環境があれば十分なことも多いからです。ワークライフインテグレーションは、知識労働には、仕事とプライベートのバランスを自己管理で行うべきという考え方があります。企業の側はそれを整えるけれど、働き手は見合った成果をあげるように努力するということです。

ハイブリッドワークライフは、ワークライフインテグレーションとかなり似た考え方ですが、決定的に違うのは、働く人自身の目線のコンセプトだということです。

企業が主導するのではなく、「自分の人生を豊かにするには、自分で考え、行動し、成果をあげることが必要だ」という、いわば当たり前の話を働き方の中で位置づけただけのコンセプトなのです。

ハイブリッドワークライフとワークライフインテグレーションの考え方は、一枚のコインの裏表の関係という側面があります。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2021.07.08更新

ハイブリッドワークライフは、ワークライフバランス、ワークライフインテグレーションという考え方に対比してつけた名称です。

ワークライフバランスやワークライフインテグレーションは、企業の労務管理の視点に立っています。これに対し、ハイブリッドワークライフは、働く人の主体性の問題です。全力を尽くす方が、人生をより豊かに過ごせる可能性は高くなるだろうというシンプルが原則を表現したものです。

オーナー経営者、自営業者、フリーランスのような人たちは、比較的、仕事とプライベートが一体化した人たちです。頑張れば頑張るほど、やりがいを感じられますし、自分の人生も豊かになります。

ところが、組織で働く人は必ずしもそうではありません。望まぬ働き方が行き過ぎて、精神を病んだり、過労死したりする事例が後を絶ちません。

しかし、人生を豊かにするには、仕事とプライベートをできるだけ一体化し、全体的なやりがいを大きくできたほうが良いわけです。そのあたりをどうするかがポイントになります。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2021.07.07更新

ハイブリッドワークライフは、ワークライフバランス、ワークライフインテグレーションを意識したコンセプトです。

ワークライフバランスは、いわゆる「9時から5時まで」の働き方を前提としています。タイムカードで勤怠管理する仕事は、量によって成果を図るタイプの仕事になります。肉体労働、マニュアルワークはこうした仕事になります。ワークライフバランスは、こうした仕事の過重労働を防ぐコンセプトです。労務管理のコンプライアンスの視点が色濃く出ています。

ワークライフインテグレーションは、知識労働に当てはまる働き方です。知識労働では、量ではなく、質がポイントになります。どんなに仕事量をこなしても、質が悪ければ評価は低くなります。100本の平凡な企画は1本の優れた企画にはかないません。ワークライフインテグレーションは、こうした知識労働者に自己管理型の仕事を行ってもらうためのコンセプトです。オンライン環境での仕事、ジョブ型の仕事、は知識労働に向いています。高度な知識労働者にできるだけ働きやすい環境を提供するという考え方です。

ワークライフバランス、ワークライフインテグレーションは、どちらも企業の労務管理上の視点に立つコンセプトです。ワークライフバランスは、肉体労働・マニュアルワーク向けで、ワークライフインテグレーションは知識労働に向いています。ワークライフインテグレーションを徹底すると、企業と知識労働者の関係は対等に近づきます。企業は高度な知識労働者なしに成果をあげられません。一方、知識労働者も企業を介して大きな成果をあげます。お互い持ちつ持たれつなのです。しかし、「企業は社員より上の立場」という従来の無意識の偏見はなかなか解消されません。ワークライフインテグレーションを実践するには企業の側にも、強い心構えが必要です。

ハイブリッドワークライフはワークライフインテグレーションに似ています。どちらもプライベートと仕事を区別しないからです。しかし、大きな違いがあります。ワークライフインテグレーションは企業が主体であるのに対し、ハイブリッドワークライフは働く人が主体なのです。なぜなら、主体的な働き方は働き手自らが選択必要があり、企業が意図的に仕向けることには限界があるからです。特に、難易度の高い仕事に就いては、自ら選んで行動しなければモチベーションは高まらないことが分かっているのです。

ハイブリッドワークライフは、必ずしも企業内で働くことを想定していません。企業内で働いても、副業であっても、一時、育児や介護で仕事を離れても、「自ら考え、行動することでしか自分の人生の幸せは実現できない」と考えるのです。もちろん、企業で働く場合には、ワークライフインテグレーションとは一枚のコインの表と裏のような関係になります。企業と働く人がそれぞれ主体性を持たなければ、新しい働き方は実現できないのです。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2021.07.06更新

ハイブリッドワークライフでは人生の成果を最大化することを目指します。
それには、三つの領域に時間を配分することが必要です。
一つは、現在の成果、二つ目は、将来の成果のための準備、三つ目は活動の土台となる肉体的・精神的・社会的な健康です。
現在の成果に集中しすぎると、将来の成果や健康が損なわれます。将来に目を向けすぎて現在の成果をおろそかにすると経済的な土台が揺らぎます。健康であっても成果が出なければ幸せになりません。
しかし、これら三つの領域は重なり合っています。現在の仕事の中には将来のための能力開発の要素があります。プライベートの娯楽も現在や将来の成果に紐づけしたほうがよいでしょう。
こう考えていくと、あらゆる時間を積極的に使うことが重要であることが分かります。遊びであっても成果につながる要素があったほうが明らかに得なのです。
ハイブリッドワークライフではオンとオフの区別をあまり重視しません。それは、24時間働き詰めに働くということではなく、仕事自体にも楽しみがあり、楽しんでいる時間にも成果につながる要素を見出すということです。
つまり、楽しむことと成果をあげることを一体化させるという考え方なのです。
プライベートで勉強をしている時に、思わぬアイディアがひらめけば、それは楽しいことなのです。
もちろん、あらゆる時間が「楽しい」と感じることはないでしょう。しかし、エベレストの登頂や金メダルを目指す練習などのプロセスも決して「楽しい」だけのものではないでしょう。なぜ、そのように楽しくないことをするかといえば、その先にある、かけがえのない楽しさを求める空に他なりません。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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