浅沼宏和ブログ

2021.08.05更新

ハイブリッドワークライフのロール・モデルは経営者、フリーランス、クリエイターのような人たちです。こうした人たちの多くは、仕事とライフスタイルが一致している場合が多いのです。つまり、「仕事に一生懸命に取り組むこと=人生」であるため、寸暇を惜しんで努力している人も珍しくはありません。

ところが、こうした働き方を一般企業で行う場合、たちまち「ブラック企業」のレッテルが張られてしまいます。働いている人たちの多くも、「仕事とプライベートは別」と考えています。ですから、「できるだけ働く時間は少なくして、プライベートを充実させたい」と考えるのです。これが、ワークライフバランスのコンセプトの前提になっています。健康経営、働き方改革の施策の多くはこうした前提に立っています。

”ブラック企業”問題は重要なコンプライアンス問題です。企業はしっかり対応しなければなりません。しかし、働く人にも主体性が必要です。なぜなら、終身雇用が崩れつつあるという現実があるからです。

現代のように変化の激しい時代にあって、学校を卒業して就職した会社が40年、50年も存続している可能性がドンドン少なくなってきています。また、会社として存続していても、全く違った業態になったしまうことも珍しくはありません。

ゆったりと働いて、オフはしっかりと楽しめる生活を半世紀にわたって保証してくれる組織は多くはありません。数十年単位で見ると、どれほど大組織であっても破綻する可能性があるのです。その時に、他の組織でも求められる成果能力がなければ、ワークライフは一転して厳しいものになるのです。今の生活に満ち足りている人ほど、将来に備える必要があるのです。

ハイブリッドワークライフは仕事とプライベートを一体化して捉える考え方ですが、滅私奉公的な考え方とは違います。自分のために主体的に働き、学ぶ必要があるという考え方です。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

2021.08.04更新

仕事とプライベートを一体化させるには、仕事の成果の自己管理が必要になります。すると、肉体労働やマニュアルワークよりも知識労働の方がハイブリッドワークライフに向いていることになります。

IT企業がリモートワークを推進できる大きな理由は、クラウドの存在によってどこでも作業ができるからです。そのため、オンラインでのコミュニケーションツールを早くから活用して、仕事の自己管理を進めるようになったのです。

これに対し、一般的な企業は人と人とが直接会って話をすることが当たり前の世界でした。こうした当たり前を変えることは困難です。技術的に可能であっても、変えること自体に心のハードルがあったわけです。

それがコロナ禍によって一変しました。リモートワークを国が奨励するようになり、多くの企業が好むと好まざるとにかかわらず、リモートワークを行うようになりました。

しかし、コロナ禍が去った後も、リモートワークを同じように続けていうかは未知の状況です。「前のやり方に戻ろう」という意識はまだまだ根強いと言われています。

リモートワークが本当に根付くためには、仕事の再定義が必要になります。「ジョブ型」といわれる仕事の考え方への注目が集まっていますが、そうした表面上の言葉ではなく、「そもそも仕事をするとは何をすることか?何をすれば価値を生んだことになるのか?」という本質論の議論が必要になると思われます。

ハイブリッドワークライフのコンセプトは、「自分の幸せのためには主体的に行動すべきだ」という、いわば、当たり前のことをいっているだけですが、そこには仕事の本質の再定義の必要性も含まれるのです。

投稿者: 株式会社TMAコンサルティング

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