温室効果ガスなどの排出による世界的な気候変動リスクの高まりにともなってカーボンニュートラルへの関心が高まっています。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスなどの排出を全体としてゼロにする取り組みのことです。
「全体としてゼロにする」とは、CO2 をはじめとした温室効果ガスの排出量から、植林・森林経営などによる吸収量を差し引いた数字がゼロになるようにすることです。
カーボンニュートラルの取組の第一歩は自社の CO2 排出量を計算することです。計算は、電気、ガソリン、ガス、軽油、重油などの請求書や明細書に書かれている使用料に以下の係数を掛け算すれば簡単に計算することができます。
*主な係数
エネルギー | 係数 | 単位 | |
---|---|---|---|
ガソリン | 2.32 | t-CO2/kl | *1000 リットルが分母に注意 |
電気(火力) | 0.55 | Kg-CO2/kWh | *分子がキログラムに注意 |
都市ガス | 2.23 | t-CO2/1000N ㎥ | *1000N は常温での体積の意味 |
軽油 | 2.58 | t-CO2/kl | *1000 リットルが分母に注意 |
A重油 | 2.71 | t-CO2/kl | *1000 リットルが分母に注意 |
B・C重油 | 3.00 | t-CO2/kl | *1000 リットルが分母に注意 |
当社は、オフィスなので電気とガソリンが主なエネルギー源で年間約 14 トンの排出量でした。顧客の製造業 A 社(社員数約 20 名)で約 420 トン、中堅運送業 B 社(トラック数十台)で約 3700 トン(軽油のみで計算)となりました。
ちなみに、日本の 1 世帯当たりの CO2 排出量や約 2.8 トン、1 戸建てに住む 4 人家族の場合、約 5 トンになるそうです。
これに対し、スギ林 1 haの年間 CO2 吸収量は約 9 トン(樹齢 40 年、1000 本と仮定)です。CO2 排出量は業種によって大きな違いがあります。まずは、請求書などから自社の CO2 排出量を計算してみましょう。
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