ハイブリッドワークライフでは人生の成果を最大化することを目指します。
それには、三つの領域に時間を配分することが必要です。
一つは、現在の成果、二つ目は、将来の成果のための準備、三つ目は活動の土台となる肉体的・精神的・社会的な健康です。
現在の成果に集中しすぎると、将来の成果や健康が損なわれます。将来に目を向けすぎて現在の成果をおろそかにすると経済的な土台が揺らぎます。健康であっても成果が出なければ幸せになりません。
しかし、これら三つの領域は重なり合っています。現在の仕事の中には将来のための能力開発の要素があります。プライベートの娯楽も現在や将来の成果に紐づけしたほうがよいでしょう。
こう考えていくと、あらゆる時間を積極的に使うことが重要であることが分かります。遊びであっても成果につながる要素があったほうが明らかに得なのです。
ハイブリッドワークライフではオンとオフの区別をあまり重視しません。それは、24時間働き詰めに働くということではなく、仕事自体にも楽しみがあり、楽しんでいる時間にも成果につながる要素を見出すということです。
つまり、楽しむことと成果をあげることを一体化させるという考え方なのです。
プライベートで勉強をしている時に、思わぬアイディアがひらめけば、それは楽しいことなのです。
もちろん、あらゆる時間が「楽しい」と感じることはないでしょう。しかし、エベレストの登頂や金メダルを目指す練習などのプロセスも決して「楽しい」だけのものではないでしょう。なぜ、そのように楽しくないことをするかといえば、その先にある、かけがえのない楽しさを求める空に他なりません。
2021.07.06更新
ハイブリッドワークライフ -三つの領域に時間を使う
投稿者:
2021.05.27更新
ハイブリッドワークライフ関連書籍の執筆
現在、ハイブリッドワークライフについての著書の執筆を進めています。
ハイブリッドワークライフはドラッカーのマネジメント論に基づいたコンセプトです。一言で表現すれば「制約条件下での人生の成果の最大化」を目指すライフスタイルです。
このコンセプトは企業側の視点ではなく、働き手の視点に立っています。
現在の日本はさまざまな厳しい条件に囲まれています。30年続く低成長、驚愕の財政赤字、そして世界一の高齢化社会、未来を担う人材の枯渇につながる少子化などです。
こうした問題を個人の力で解決することはできません。ハイブリッドワークライフは、こうした現実を直視し、その制約条件の中で可能な限り豊かな人生を送ろうというものです。
努力が必ず実を結ぶわけではありません。理想通りの人生を歩む人の方が少ないでしょう。
だからこそ、理想通りにはいかない時のライフスタイルを考えなければなりません。それがハイブリッドワークライフです。
私たちは困難な状況にあっても人生を歩んでいかなければなりません。そこで求められるのは生き抜く力なのです。
原稿を書き終わるまで、もう1、2か月かかるかもしれませんが、今年後半までには観光できる予定です。
投稿者:
2021.04.23更新
第二の人生 -ハイブリッドワークライフの成果は一つではない
現代は競争社会です。仕事で成功を収めるには厳しい競争を勝ち抜かなければなりません。すると、社会は勝者と敗者に分かれることになります。これでは幸せになる人が一部しかいなくなってしまいます。
ハイブリッドワークライフは人生の成果を最大化するためのコンセプトです。もし、人生の成果を仕事での成功に限定すると、多くの人は必ず不本意な人生を送ることになってしまいます。人生の成果はもっと多様であるべきです。
ドラッカーは現代が知識社会であり、そこには勝者と敗者がいると述べています。だから「第二の人生」を選択肢として持つことが大切だというのです。
人生を評価するモノサシが一つしかなければ、敗者は残りの人生を不本意なまま生きなければなりません。しかし、複数のモノサシを持つことで、人生の成果を大きくすることが可能となるのです。
ドラッカーは、転職や起業、副業を持つこと、非営利活動に従事することなどを第二の人生の選択肢として挙げています。現代では、さらにその可能性は多様になったといえます。
しかし、第二の人生は大きな方向転換です。急に思い立って違う道を選ぶことは困難です。第二の人生を選ぶには長い助走期間が必要なのです。
これから、第二の人生のためのさまざまなモノサシが登場してくるでしょう。そうしたモノサシの登場に注意を払い、そこから新たな選択肢を持つことが長い人生のリスクを減らすことになるのです。
投稿者:
2021.04.14更新
制約条件下での成果最大化 -ハイブリッドワークライフの原則-
ハイブリッドワークライフはドラッカーのマネジメント論を参考にしています。ドラッカーのマネジメント論は成果をあげるための原則です。そのポイントの一つが制約条件下での成果最大化です。
マネジメントとは与えられた状況の中でいかにして成果を大きくするかの原則です。したがって、置かれている条件が違えば可能となる成果が違ってきます。例えば、重い病気にかかっている人にとって普通に職を得ることさえ難しいことがあります。
ある人は、30代半ばまで仕事に就くことができず、まずアルバイトから始めて40代後半でやっと経済的に自立できるようになりました。これも制約条件の中で最大の成果をあげた例と言えます。
ハイブリッドワークライフでは人生全体の成果の最大化を目指します。特に人生100年時代にあっては、現在の成果を大きくするだけでは不十分です。10年後、20年後、場合によっては50年後の成果も視野に入れる必要があるのです。
ですから、余暇は「余った暇(ヒマ)な時間」ではないのです。それは将来の成果を最大化するための投資(健康・スキル・知識・人脈・経験)の時間なのです。
最も、変化の大きい時代ですから予定通りにキャリアを積み重ねることは難しくなっています。また、大きなチャンスは想定外の所から生じます。しかし、そうしたチャンスは努力を積み重ねた人にしか巡ってきません。仕事とプライベートの境界線が無くなるということにはそのような意味も含まれているのです。
投稿者:
2021.04.08更新
ハイブリッドワークライフにおける主体的個人
ハイブリッドワークライフでは個人の主体性が重要になります。具体的に言うと、誰もがフリーランサーのような心構えを持つ必要が出てくるのです。これは組織に属して働く人であっても同じです。
ドラッカーは、こうした事態が訪れることをいち早く予言していました。その最大の理由は「長寿化」です。長寿化になると、人生の間に何度も大きな変革に見舞われます。人生のすべての期間において身を託せるような組織はほとんどありません。したがって、すべての人は自らの能力によって、その変革を乗り切っていかなければなりません。
すると、今日の仕事で成果をあげる努力と、明日の仕事で成果をあげるための努力の二つが必要になるのです。明日の仕事で成果をあげるには、新しい能力を身につけなければなりません。こうした事情の下では、仕事をオンとオフで区別することは意味がなくなります。
余暇は仕事で疲れた体を休める時間では無くなります。将来の仕事の能力を身につけるための継続学習の時間となるのです。
ただし、将来の仕事の能力は幅広くとらえる必要があります。健康であるための投資も必要です。人脈やネットワークの形成も大切です。全く新しい物の見方を身につけるための体験を得ることも必要です。すると、学びと遊びは一体化していきます。
ハイブリッドワークライフでは、「ゲームのように仕事をする」こととともに、「学びと遊びの一体化」も必要となるのです。すると、仕事とプライベートとの境界線を引くことには意味が無くなるのです。
投稿者:
2021.03.22更新
ハイブリッドワークライフと時間資源の配分―1日24時間、1週間168時間をどう使うか?
ハイブリッドワークライフは仕事とプライベートの境界線を厳密にひかず、一体として捉えようとするコンセプトです。
従来のワークライフバランスの考え方の根底には仕事をする時間を「オン」、プライベートを「オフ」と見る発想があります。しかし、知識労働が重要性を増した世界ではこの二区分は、あまり意味を持たなくなります。
例えば、睡眠を1日6.5時間、仕事を8時間×5日、食事・入浴等1日2時間とします。おそらくこれ以上削りようがないほどシンプルな設定です。すると、睡眠45.5時間、仕事40時間、食事等14時間、で合計99.5時間です。
1週間で見ると、その他が68.5時間になります。その他には、残業時間、通勤時間、家事等も含まれます。仮に、それらを18.5時間(相当少なく見積もっています)とすると、残りは50時間です。
この最大50時間を使って娯楽のみならず、将来に向けた投資(スキル習得・人脈拡大等)、スポーツなどのコンディショニングを行わなければなりません。定時で見ると仕事は40時間しかなく、オフの過ごし方で未来が大きく左右されるのです。
現代では組織の存続の不確実性が増しています。大企業にいるからといって一生安泰というわけにはいかなくなりました。それだからこし、社会を生き抜く力を常に磨き続けなければなりません。
こうしてみると、オンとオフで明確な線引きを引く発想は現代のビジネス環境にはそぐわないのです。フリーランスの人であれば、常に能力を高め続けなければ、仕事のオファーが突然無くなるのが当然と理解しています。しかし、大組織に属していると、表面上はそうしたリスクがないように見えてしまいます。これが大きな落とし穴です。
主体的に生きるとは、常に能力を強化し、自由な選択の余地を広げていくことです。選択肢を広くするためには仕事の時間と同様にプライベートな時間を何に使うかが重要になるのです。
これからは組織の属していたとしても、時価評価、すなわち今現在どのような成果をあげることができるかで評価されるようになっていくでしょう。
投稿者:
2021.03.18更新
従来型企業とフリーランスのコラボレーション -ハイブリッドワークライフのコンセプトの原型
従来型の企業の代表格ともいえる業種の一つが損害保険会社です。しかし、SOMPOホールディングスでは新規事業にフリーランスの力を借りる取り組みを始めています。
同社はスマートフォンを使ったデジタル申請を行う事業のために、数多くのフリーランスを集めました。38人のプロジェクトチームの内、21人がフリーランスなのだそうです。その狙いはスピードにあります。DX時代に対応した高度人材を育成する余裕はなく、直近のプロジェクトを成功させる必要があるからです。
フリーランスを使う理由はもう一つあります。それは従来の業界の常識にとらわれない柔軟な発想を求めたからです。チームの正社員は事業の課題をまとめ、解決の方向性を決めていきます。それに基づいて具体的な手法や製品を作り出すのがフリーランスなのです。
SOMPOホールディングスの新規事業チームでは正社員とフリーランスの間の垣根をなくし、互いの役割を尊重し合う雰囲気づくりを重視しているそうです。
今後はこうした働き方をする人は増えていくでしょう。
ドラッカーは、知識労働者は価値を創造する能力を持つ人であり、それは企業から見ると資産として捉えることができると述べています。
工場労働の時代では資産家とは資金や物的設備を所有する人のことでした。つまり、現代の知識労働者は新しい価値を生み出す能力を持つ資産家なのです。高度な能力を持つフリーランスはドラッカーが予見したように、自分の好きなワークライフスタイルを選ぶことができます。つまり、企業に対して交渉力を持つことができるのです。
ハイブリッドワークライフのコンセプトの大きなモチーフとなったのが、こうした自身の能力に基づいて自由度の高い働き方をするフリーランスです。今後、こうしたタイプのフリーランスが増えていくでしょう。
すると、ハイブリッドワークライフのコンセプトには将来、このようなフリーランスとして働ける能力を身につけるワークライフを送ることも含まれてくるのです。
投稿者:
2021.03.15更新
☆お知らせ―ハイブリッドワークライフに関する商業出版の進捗状況
現在、ハイブリッドワークライフに関する著作の執筆を鋭意進めております。
新しい時代の働き方は一つではありません。100人いれば100通りのワークライフがあるのです。
現在、10数名の方のワークライフをご紹介すべく、取材を進めております。世界で活躍される方から、身近なビジネスマン、農家や林業家の方もいらっしゃいます。
多様なワークライフスタイルの中から共通点を抽出し、ハイブリッドワークライフのコンセプトと共にご紹介したいと思います。
投稿者:
2021.03.15更新
ハイブリッドワークライフの「ワーク」とは
ワークライフバランスでは、仕事とブライべートとのバランスが重視されます。しかし、ハイブリッドワークライフでは仕事とプライベートとの境界線が消失すると考えます。そうした状況の中で、生活全般を充実させようということです。
ところで、ハイブリッドワークライフでは「仕事」の意味を広くとらえます。通常、「仕事」というとお給料をもらうような活動をいいます。しかし、それではNPO活動は仕事に含まれないことになります。それは問題ではないかと考えます。なぜなら非営利活動も一つの立派な「仕事」といえるからです。
また、専業主婦の家事労働は「仕事」ではないことになってしまいます。しかし、専業主婦はそれこそ「仕事」とプライベートの区切り目のない生活をしているのです。同様に農業などに携わっている方たちも「仕事」とプライベートの切り分けは難しいでしょう。
そういう意味ではあらゆる人が「仕事」とプライベートの切り分けが難しい状況に置かれているのです。広い意味ではアーティスト、学生なども当てはまることでしょう。
このように「仕事」の意味を広くとらえる必要があるのは、狭い「仕事」の概念定義では、そこから漏れてしまう数多くの人がいるからです。例えば、大きな社会問題となっている「引きこもり」がそれに当たります。こうした人たちが社会に復帰するには、いきなりお給料をもらえる仕事に就く前に、段階的に社会と設定を持つ必要があるでしょう。その段階での活動にも「仕事」としての側面を認める必要があるように思われます。
また、重い障害を持つ方たちや、リタイア後の高齢者にも当てはまるような広い「仕事」の概念定義を行うほうが、より社会にとって有益なのではないでしょうか。
こうした理由から、ハイブリッドワークライフでは、最も広い意味で「仕事」を捉えたいと思っています。ただし、多くの場合、一般的な意味での「仕事」の概念も必要です。ですから、広義・狭義のどちらの側面からも「仕事」という言葉を使いたいと思います。
投稿者:
2021.03.11更新
規律と自立 -主体的行動のために
ハイブリッドワークライフでは主体的な行動が重要になります。主体的とは目的を自分自身で決めることです。自分で決めた目標こそが内発的動機づけにつながるのです。
そして、主体的行動の基礎となるのが日常的なこと、身の回りのことをキチンとすることです。それを規律と言います。規律正しさが基礎となり、その上に主体的行動があるのです。
例えば、トヨタ自動車に代表される製造業の世界では5Sという取り組みがあります。「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つの行動の頭文字をとって5Sと呼ぶのです。5Sの取り組みは仕事の環境整備のために行われるのです。
トヨタでは工場の乱れている場所、汚れている場所に問題が潜んでいるとされています。つまり、乱れや汚れは問題のシグナルなのです。5S活動によって工場環境を徹底的に整えることで、あらゆる問題の芽を摘んでしまおうというわけです。
また、軍隊の士官学校などでも最初は徹底的に規律を身につけさせます。身なりやベッドメイキング、私物の置き方などすべてが決められています。歩き方、立ち方、敬礼の仕方などの基本動作もすべて決められています。そこからわずかにでもズレていれば厳しく指導を受けるのです。そこには個人的判断の入る余地はありません。すべて事前に決められており、それを徹底的に守ることで規律を身につけるのです。
しかし、上級生になるにしたがって自ら考えることが要求されます。言われたことをきちんとこなすだけでは士官としての職務が遂行できないからです。戦場では状況は常に流動的です。指示を受けていない事態にも対処しなければなりません。そこで求められるのは高度な主体性なのです。
このように人は規律を身につけることを成長の基礎とします。その上で、自ら考えて行動する主体性を発揮しなければなりません。これが「自立」です。
近年、大学スポーツなどで指導者の不祥事がありました。その学校では指導者の言うことは絶対であり、それに逆らうことは許されなかったと言います。そうした環境では主体性を身につけることはできません。
高度経済成長期には、指導者に逆らわず、言われるがままに全力で行動する人が好ましいとされていました。そうした行動を「自発的」といいます。積極的行動には違いありませんが、その行動の目的を自分で決めるのではないという点で主体的行動とは大きく違う者なのです。
現代では、あらゆる領域で主体性を発揮することが求められているのです。
投稿者:
ARTICLE
SEARCH
ARCHIVE
- 2022年01月 (1)
- 2021年10月 (2)
- 2021年09月 (2)
- 2021年08月 (2)
- 2021年07月 (4)
- 2021年05月 (1)
- 2021年04月 (3)
- 2021年03月 (8)
- 2021年02月 (6)
- 2021年01月 (4)
- 2020年12月 (12)
- 2020年11月 (1)
- 2020年10月 (2)
- 2020年09月 (2)
- 2020年08月 (2)
- 2020年07月 (2)
- 2020年06月 (2)
- 2020年04月 (2)
- 2020年01月 (2)
- 2017年08月 (16)
- 2017年07月 (1)
- 2017年05月 (2)
- 2017年04月 (1)
- 2017年03月 (1)
- 2017年02月 (7)
- 2017年01月 (8)
- 2016年12月 (3)
- 2016年06月 (1)